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Tuesday, July 26

電車のなかで『ペンギンブックス』(フィル・ベインズ、P-Vine BOOKs)を読む。ヤン・チヒョルトの功績をよく知るために読んでいる感があるけれど、ハンス・シュモーラーという人物もペンギンブックスに多大なる貢献をしたことがわかった。ヤン・チヒョルトがペンギンのロゴの変更をするにあたって、会社側から伝統を守るために「あまり大幅に変えないで」と言われたのにけっこう変えちゃった、ってエピソードが好き(このエピソードは出てこない。雑誌『IDEA』 NO. 321 ヤン・チヒョルトの仕事 で読んだ)。ちなみにわたしが好きな欧文書体は、知っているなかではGiambattista BodoniがデザインしたBodoniとNicolas JensonがデザインしたJensonだけれど、書体は本当に難しくてまだまだわからないことがたくさんあるし、どちらかというと書体をデザインした人の人生に興味がある。

夜ごはんのあと、桃をむいて食べながら『日々の食材ノート』(渡辺有子、筑摩書房)。この本は扉から目次、奥付にいたるまですべて手書き文字で書かれていて面白い。ノンブルも昔ながらのスタンプで押してあるようで。料理本はたとえ類型的なつくりであっても見ていれば楽しいものだけれど、季節にそった料理本の楽しさは格別。夏の頁には「トマト、きゅうり、とうもろこし、オクラ、ズッキーニ、なす、みょうが。どれも太陽をしっかりとあびた甘みと力強さがある。おいしい塩とおいしいオイル。それだけでも充分」とある。盛夏に肉厚の赤いパプリカと茗荷を蒸篭で蒸して岩塩とオリーブオイルであっさりいただく幸福といったら。

*今日の一枚 Love Is Blue/Claudine Longet

Thursday, July 28

小松左京は一冊も読んだことない。アゴタ・クリストフは全作品読んでいる。レイ・ハラカミは2枚もっている。

*今日の一枚 わすれもの/レイ・ハラカミ

Friday, July 29

お弁当、ご飯+野沢菜+梅干し、豚肉とほうれん草と卵の炒めもの、ひじきの煮物、ミニトマト。

『大津波と原発』(内田樹+中沢新一+平川克美、朝日新聞出版)と『一冊の本』(朝日新聞出版)。

*今日の一枚 Quiet Nights/Diana Krall

Saturday, July 30

東京は朝は曇り空だったけれど、昼頃から気持ちのよい晴天にかわった。日傘をさして近くのパン屋とスーパーへ。家のそばの庭園の樹々の緑の美しさに息をのみ、線路沿いに繁茂する草木の生命力溢れる匂いを深々と吸い込み、綿菓子のような雲とパノラマの空を見上げてそういえば最近写真を撮ってないなと反省した。

すごく久しぶりに中華ちまきをつくった。わたしはいつもにんじん、干ししいたけ、たけのこ、チャーシュー、長ネギ、生姜を入れる。濃過ぎない味にするのとご飯をもちもちはっつり仕上げることさえできればほぼ失敗なしだけど、今回お米の水分がいくらか多すぎたようだった。本当は紹興酒をいただきたいところだけどあいにくなかったのでビールにした。

『森の中で』(ジョナス・メカス、村田郁夫訳、書肆山田)6月にみすず書房から出た『メカスの難民日記』がまだ届かない(図書館から)。

七月は瞬くように過ぎ去ってしまった。

*今日の一枚 IRM/Charlotte Gainsbourg

Sunday, July 31

常備菜をつくってから、ユーロスペースに行きアレクサンドル・ソクーロフ監督の『エルミタージュ幻想』(2002年、ロシア/ドイツ/日本)。日本ではたしか旧ユーロスペースで初めて公開されたかと記憶しているのだけどそのときに観に行きそこねたので悔しい思いをしていたけどこのたび新ユーロスペースで無事鑑賞を終えたのだった。冒頭、粉雪が舞うなか、婦人たちのショールやドレスがふわっと風にあおられるところでもう胸がときめいてしまった。女性たちが身に纏うドレスに興味津々。

台所にいることの多い週末だった。

*今日の一枚 DOUBLE FAMOUS/Double Famous