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Monday, January 29

晴れ。三島由紀夫『愛の疾走』(ちくま文庫)を読了。
エコノミスト誌の書評にあったPatrick Deneen『Why Liberalism Failed』(Yale University Press)が気になる。

Tuesday, January 30

曇り。
読みさしだった廣松渉『世界の共同主観的存在構造』(岩波文庫)を最後まで。廣松渉の著作の晦渋さを語る鷲田清一と海老坂武の文章をひきながら、熊野純彦が文庫解説でつぎのように書いている。

両者がともにふれているのは「難読」あるいは「難解」という印象である。解説者個人の感触からすれば、なんの断りもなくドイツ語が嵌めこまれている等の事情を措くなら、本書の文章がそれほどまでに難読もしくは難解であるとは思われない。むしろ一種独特なリズム感が「概念」を彩り、「情念」を浮かびあがらせているようにも感じるけれども、そのような印象は、いずれにしても読者各自の感覚と嗜好とに委ねられるべきものだろう。

浅田彰が『逃走論』だったかで漢和辞典がないと読めたものではないが内容は平明であると書いていたのを思い出す。廣松渉の文章はその見かけのとっつきにくさを克服すれば、たしかにいうほど難解ではないかもしれない。もっともいまとなっては、あんな書きかたをしなくてもよかったのでは、とも思うが。個人的に廣松渉の著作のいちばんの読みどころは、その目次。

Wednesday, January 31

古典再訪。スタンダール『赤と黒』(桑原武夫・生島遼一/訳、岩波文庫)の上巻を読む。

Thursday, February 1

曇天。
おもしろそうな特集だと期待して買ってもいまいち中身が薄くてがっかりすることでおなじみの雑誌『BRUTUS』(マガジンハウス)であるが、最新号の特集「山下達郎のBrutus Songbook」はすごい。情報量がただならぬ事態となっており、編集部が本気出した感ある充実の内容。

Friday, February 2

朝、雪が舞う。うっすらでも積もりそうだったけど結局積もらず。逆に先週から残りつづけていた雪の塊が溶けた。
『図書』2月号(岩波書店)を読む。

Saturday, February 3

曇天。午前中のうちに図書館と買いものを済ませて午後は自宅で。
『BRUTUS』の特集「山下達郎のBrutus Songbook」は、字面だけを追いかけても消化不良なので解説されている音源もあわせて聴こうと、YouTubeでひとつひとつ検索して曲を確認しながら文章を読むというひどく面倒なことをやっていたら、読み終えるのに8時間以上かかってしまった。
音源のほぼすべてがYouTubeに存在する事実になんて便利な世の中なのだろうと感嘆しつつ、同時にこうした作品へのアクセスの容易性は、以下に引用するようなハングリー精神が生まれにくい環境にしているともいえる。2002年7月28日オンエアーのブルース・ジョンストンについて語った放送から。

ブルース&テリー名義ではたくさんの作品を作りました。そんな中から最高傑作を一曲。この曲は、私、20代の中頃に、とあるコレクターの人からカセットで聴かせてもらって、死ぬほど好きな一曲だったんですけども。70年代から80年代にかけての時代は、まだこうした洋楽オールディーズのシングルは、あってもとっても高くて、本当に手に入りにくいものだったんですけれども、あんまり手に入らなくて、だんだん腹が立ってきまして、80年代の頭頃に、そんなに手に入んないんだったら自分で同じような曲を作ろうと思いまして、1984年に作りました。『Big Wave』というアルバムに、このレコードが手に入らない腹いせで、せめてもの慰めに作りました。その曲が、このサンデー・ソングブックのテーマで流れております、「Only with You」という一曲でございまして。これの元ネタですが、今の半ちくな若いレコードコレクターに言わせたら、これ、パクリだと。違うんです。この曲が欲しくて手に入らなかったから、一生懸命作ったんですよ、その曲を。この純粋さ、聴いてやってください。1966年のブルース&テリー「Don’t Run Away」。

Sunday, February 4

晴れのち曇り。終日自宅にて、ラジオと読書。
午前中はきのう届いた『みすず』(みすず書房)の「読書アンケート特集」を読む。くりだされる学際的でマニアックな選書とともに、誤植が気になる。どうも『みすず』の校正はゆるいような。
午後、中沢新一の『熊を見る』と『虎山に入る』(いずれも角川書店)を読む。『虎山に入る』にあるつぎのくだりが具体的にどういう状況なのかがよくわからない。

僕なんかは、思想的に常軌から逸れだすと、女性たちが「なに馬鹿なこといってるのよ」と窘めてくれるけど