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Thursday, August 10


クラクフーグダンスク

快晴。

[朝]ホテルのレストランにてバイキング

ホテルをチェックアウトして、荷物を預ける。

・ヴァヴェル城

トラムに乗ってヴァヴェル城へ。前回、冬に訪れた時は人もまばらで、時間も遅かったし、暗くて寒くて、若干うら寂しいイメージがあったのだけど、きょうは暑くて明るい夏の日で、観光客でいっぱいのにぎやかな様子に、そんなイメージもみるみる塗り替えられていく。チケットを買うのにも長蛇の列だったので、並ぶのは夫にまかせてしばしフラフラと歩き回っていたら、係員さんに「大丈夫ですか?」と日本語で話しかけられてびっくりした。何か困ったことなどないですか、と訊いてくれたのだ。にこにこして、はい、大丈夫です、と返す。こういう時、ポーランドってやっぱり親日なのかもな、と感じる。例えばワルシャワ大学では、1900年代初頭から日本文化・日本語の研究が行われていたわけだし。

ヴァヴェル大聖堂、城の大広間、竜の洞窟を見てまわる。お城の庭園の売店でピカチュウのキーホルダーなかも売っていたりするし、周囲の街の様子も含め、ザ・観光地である。ヴァヴェル城近くのポーランド陶器店をのぞき、ここでも購入。まだまだ買うぞ、ボレスワヴィエツ陶器。

・クラクフ写真博物館(mhf)分館のようなところ

炎天下の中、トラムで移動し、きのうクラクフ写真博物館で観られなかった企画展を観るため、分館へ。清澄白河や天王洲よろしく、倉庫ギャラリーではないか、ここは。ポーランド人民共和国時代のフォトルポルタージュの展示は非常に興味深く、見応えのあるものだったが、わたしたちのほかには誰もいなかった。こんな貴重な素晴らしい展示をなぜ皆観に来ないのか。

[昼]Morskie Okoにて、ジューレック、ビール

酷暑でふらふらになりながら旧市街に戻ってきて、シュチェパンスキ広場に面したMorskie Okoで昼食をとる。ポーランド名物、ジューレックを食べる。発酵ライ麦粉がベースの酸味のきいたスープ。このお店のは、オーソドックスにソーセージとゆで卵が入っていた。昔食べた時、あまりの美味しさにびっくりして、レトルト品を大量に買って日本に帰った。熱中症になりそうだったけど、これを食べずに帰れるかと、意地で食べた。満足。

荷物をピックアップし、電車に乗って空港へ。フライトを待つ間、プリングルスとオレンジジュース。ぐぐっと北上して、グダニスク・レフ・ヴァウェンサ空港に到着。バス停まであと何メートル、と道路には水色の線でラインが引かれ案内されており、色合いがとても可愛い。中心部に出るのにバスを使う人は意外と少ない。降りるバス停の正確な名前がいまいち判然とせず、鉄道駅とバス停では微妙に名称が違うという、まあ日本でもよくあるパターンなのだろうから、まあ合っているだろう、間違ってることはないだろう、と自らに言い聞かせるものの、それでも何度もバス路線図を確かめていたら、わたしの隣でプリントアウトした地図らしきものとバス路線図を不安そうにくり返し確認している西洋人男性がいて、地続きのヨーロッパの方でもこんなに不安げに確認するのね…! とひどく親近感をおぼえた。

無事目的のバス停に着いて、スーツケースを転がしテクテク歩き、ホテル・ハンザに到着。いい名前だなあ。ハンザ・ハンザ・ハンザ! なぜ自分がこんなにハンザにきゃっきゃしているのかよくわからないけど、みすず書房から出た『ハンザ』、早く読みたいものだ。宿泊する部屋は運河に面した最高のロケーション。あちらこちらからまだまだ楽しげな歓声やグラスを重ねる音が聴こえる夏の夜。早朝の景色が楽しみ。