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Monday, March 6

週末に浴びた花粉の影響で、明け方悲惨なことになった。薬局でエスエス製薬の「アレジオン20」を買うも、もはや手遅れな感じ。

『UP』3月号(東京大学出版会)掲載の長谷部恭男「フランソワ・ミッテラン暗殺未遂事件」をおもしろく読む。ここ最近は時局のせいで(?)真面目な発言ばかりが目立つ長谷部教授であるが、この人の才はアイロニーとユーモアを効かせた文章で発揮される。しかしなぜいまミッテラン暗殺未遂事件について書こうと思ったのかは謎。

Tuesday, March 7

本日の有給休暇は溜まっていた日記を書いて終わった。

twitterで高橋幸宏が花粉症について変なことをつぶやいていると教えてもらう。

花粉症なんとかしてー!これ結構きついな!

まるで今年から花粉症になったかのような言い草だが、「その診断名が出来る前から40年以上のベテラン」というのだから何を言っているんだこれは感、漂う。

Wednesday, March 8

中公新書から出たシベリア絡みの本を二冊読む。富田武『シベリア抑留 スターリン独裁下、「収容所群島」の実像』(中公新書)と麻田雅文『シベリア出兵 近代日本の忘れられた七年戦争』(中公新書)。どちらも勉強になる。ところで『シベリア抑留』を読んでから『シベリア出兵』に手をつけたのだが、時系列としては『シベリア出兵』から『シベリア抑留』にすべきだったか。どっちでもいい話だが。

Thursday, March 9

山田宏一『ヒッチコック映画読本』(平凡社)を読む。山田宏一の映画論は、書いている本人がとても楽しそうなのがいい。

Friday, March 10

堀江敏幸『音の糸』(小学館)を読了。小説以外での堀江敏幸の文章は、美術評などで顕著な言葉を思弁的に編みこんで完結させるものよりも、体験した自身の些事をまじえて綴る随筆風のもののほうが、はるかにいいように思う。本書は後者。クラシック音楽をめぐる著者の思い出話といってしまえばそれまでだけれども。

Saturday, March 11

『モンティ・パイソンができるまで ジョン・クリーズ自伝』(安原和見/訳、早川書房)を読む。モンティ・パイソンについてよく知らない人間が読んでもおもしろかったので、モンティ・パイソンについてよく知っている人間が読んだらものすごくおもしろいだろう。

Sunday, March 12

恵比寿にて。東京都写真美術館で「夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史 総集編」と「山崎博 計画と偶然」を見て、NADiff a/p/a/r/tで「写真分離派 写真の非論理 距離と視角」、MEMで「椎原治」、G/P Galleryで「赤石隆明 Waste Park」を見る。最初ナディッフに向かったら、ちょうど開催中だった写真分離派のトークイベントに鉢合わせてしまったので、写真美術館の展示を見てからもういちど出向くという、恵比寿をぐるぐる歩き回るはめに。ふたたび訪れたナディッフの店内で、清水穣と鷹野隆大の姿を見かける。夜、Rue Favartで夕食。