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Thursday, November 3

J-WAVEは祝日にはいつも、朝9時から約9時間にわたって特別プログラムを組むのだが、きょうはなんと約9時間「北杜夫スペシャル」という暴挙に出た。ナビゲーターは大倉眞一郎と本谷有希子で、2人とも企画を聞いた時にはマジですか、マトモじゃねえ、って思った、というようなことを言っていて可笑しかった。まあ北杜夫原作の映画が公開されるタイミングというのもあっただろうけど、それにしても。わたしは大喜びだけど。

Sunday, November 6

鎌倉へ。お昼を食べに由比ヶ浜の松原庵に向かうと満員とのことだったが、それは想定していた事態だった。店員さんに併設のカフェを利用することを勧められたのでそれに従い、赤ワインを飲みながら30分ほど待ったのだけれど、なんと赤ワインのお代は蕎麦屋で合わせて支払うのだという。へえー。このシステム、初体験だわ。テラス席で出し巻き卵、天ぷらそば、ビールをいただく。海まで出て、しばらく浜辺を散歩。ふと思い立って鎌倉大仏を見学に行く。小津の『晩春』で杉村春子が財布を拾うのはどのへんだったかな〜と思い出そうとしたが、結局、大仏が出てくるのは『晩春』ではなく『麦秋』で、財布を拾うのは鎌倉大仏ではなく鶴岡八幡宮だった。テキトーな記憶。その後、鎌倉文学館で秋のバラを愛で、たい焼きなみへいでチーズピロシキを食べる。赤澤かおりの『鎌倉 のんで、たべる。』で存在を知った長谷の三留商店で、お店独自製品の薬膳ソースときつねのイラストが可愛いレトルトのカレーを買う。鎌倉に戻り、御成通りそばの器屋でお皿などあれこれ物色し、東京に帰る。

このところ読んだ本、樋口恵子『サザエさんからいじわるばあさんへ ー女・子どもの生活史』(朝日新聞出版)。サザエさんは“嫁のつとめ”をしていない、の指摘にハタと膝を打つ。たしかに。

このところ観た映画、『お早よう』(小津安二郎監督、1959年)、『ぼくの伯父さんの休暇』(ジャック・タチ監督、1952年)、『キャロル』(トッド・ヘインズ監督、2015年)。『キャロル』はかなり期待していて、期待を遥かに超えるほどではなかったものの、画としての美しさ、女優2人の人間としての存在感に圧倒された。出会いのシーンもよかった。上司に促されてしぶしぶ被ったクリスマスの三角帽子を「その帽子、可愛いわ」と褒めるキャロル、はにかむテレーザ。いいシーン。