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Tuesday, December 8

『秋日和』(小津安二郎監督、1960年)を観る。ああ、歳を重ねた原節子。四十代の原節子。一挙手一投足に釘付けである。とんかつ屋で瓶ビールの残りをグラスにあけて、なんだ、もうないかぁ、と残念がる姿が可愛いらしすぎる。娘役の司葉子に向かって、ここで茹で小豆食べたこと、ずっと覚えてるわ、という台詞には涙腺が緩んでしまう。

Saturday, December 12

四方田犬彦『李香蘭と原節子』(岩波現代文庫)読了。面白かった。“きわめて緩やかな時間のうちに実行されていった”謎多き原節子の引退に関して四方田さんの個人的感想(見解)が読めたことがいちばんの収穫、そして鈴木清順監督『春婦伝』の解説を読めたことが思いがけない収穫。

今年も東大本郷キャンパスで紅葉狩り。しかし見頃を過ぎてしまったようで、かなり銀杏のじゅうたんが敷き詰められていた。三四郎池のまわりをぐるっと散歩して、つくづくいいところだなあと思う。第一書房で夫が漱石の『三四郎』『それから』『行人』を3冊300円で買っていた。

地下鉄に乗って新宿へ。GUCCI新宿で「川内倫子 Let’s sing a song our bodies know」を鑑賞。紀伊國屋書店で『Ginza』2016年1月号と週刊朝日増刊の『原節子去りぬ』を購入。

再び地下鉄で馬喰横山へ。久しぶりの馬喰横山。TARO NASUで「松江泰治 LIM」を観る。世界の墓地の写真と、いつもの映像作品。良いなあ。鳥瞰的な視点でとらえるのに墓地は非常に興味深い場所である気がする。ちなみにアガタ竹澤ビルにあるレバノン料理の馬喰町ART+EATが復活していた。昔一度行ったきりだが、懐かしい。イズマイでトマトジュースを飲んで休憩。茅場町へ移動し、BASE galleryで「眞壁陸二 森/叙景」を鑑賞。運河(川?)を渡って、夜はTable d’Hoteにて、水牛モッツァレラのカプレーゼ、しらすサラダ、ズッパ、肉ソースをかけた肉(とかいうメニュー名!)、パン、赤ワイン。超絶美味。